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上高地の情報提供施設 繁忙期は通らない場合も 混雑懸念で

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 国立公園の北アルプス・上高地に入る前に、自然保護の心構えなどを学ぶ施設として環境省が設置し、19日に本格稼働する「沢渡ナショナルパークゲート」(松本市安曇)について、同省や松本市、地元住民らでつくる連絡協議会は16日までに、繁忙時は一部のシャトルバスやタクシーの観光客はゲートを通過しなくても良いなどとする今季の運用方法を決めた。同省は上高地入りする全ての人にゲートを通過してもらう方針だったが、観光客らの手間や混雑が予想されるため、配慮することになった。  全国初の試みとして昨年度に設置された同ゲートは、今季は上高地へのシャトルバスの運行が始まる19日から11月まで運用。入山者に「野生動物に餌を与えない」といったマナーを伝える約3分間の映像を見てもらう。  上高地にはマイカーでは入山できず、観光バスやタクシーなどを利用するか、沢渡の駐車場でシャトルバス、タクシーに乗り換える。  同協議会によると、通常時は沢渡でマイカーからシャトルバスやタクシーに乗り換える人にゲートを通過してもらう=地図。沢渡橋より上高地寄りの3カ所のバス停でシャトルバスに乗る人、観光バスなどの乗客は上高地に直行可能とする。  一方、観光バスが上高地に乗り入れられない繁忙時(7月13日~10月20日の土・日・祝日・お盆の39日間)は、観光バスの乗客もゲートを通過してシャトルバスに乗り換える。ただ、ゲートの混雑緩和のため、沢渡橋の市街地寄りを発車するシャトルバスはゲートに寄らず、マイカーの客は国道158号沿いの駐車場に止めて上高地に直行することができる。  同省は昨季、34日間にわたりゲートを試験運用。観光客らへのアンケートでは「国立公園に入る意識が持てる」などと評価された。これに対し、駐車場の事業者や上高地の宿泊施設からは「乗り換えの手間で入り込みに悪影響がある」といった声も出ていた。  同省松本自然環境事務所(松本市)はこうした声を踏まえた上で、今季の運用について「自然保護の意識を高めるという当初の理念を保ちながらも現実的に対応した」と話している。上高地に直行するシャトルバスやタクシーでは、運転手らがマナーを案内するとしている。  沢渡のペンション経営、百瀬輝正さん(58)は今季の運用方法に賛成した上で、「ゲートがあるから沢渡でマイカーを乗り換える、と言ってもらえるようにしたい」。上高地町会の上條敏昭会長(63)は「マナーの悪い観光客が増えているのも現実だ」と話し、ゲートの役割に一定の理解を示している。(長野県、信濃毎日新聞社)


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