県商工会連合会(矢崎昭和会長)は2015年度の完全実施を目指し、商工会員向けの新たな経営支援体制を構築する。県内70の商工会を24前後のグループに分け、グループごとに経営指導員5人前後を配置。会員の相談に経営指導員が一対一で対応していたこれまでの支援方法から、複数の指導員で応じる体制に見直す。より専門的な相談には同連合会の県内4支所ごとに対応する。県からの補助金減額が見込まれる中、より専門的な支援が効率的にできる体制を組み、商工会の存在感アップにつなげる。 各グループは本年度内に、事業所数や経済圏、地形などに応じて決める。商工会に所属する経営指導員(12年7月時点で計119人)が会員事業所を巡回して捉えた課題を持ち寄り、得意分野が異なる複数の指導員で支援内容を検討する計画。経理や税務など基礎的な支援は、経営指導員を補助する職員らが担う。 さらに新商品開発や販路開拓などの専門的な相談は、小諸、長野、松本、飯田各市にある連合会の支所ごとに対応する。民間企業で実務経験があるOBら計20人程度を雇用し、各支所に配置する計画。経営指導員や外部の専門家とチームを設けて支援する。 新支援体制は本年度から10年間の運営計画「商工会中期マスタープラン」に盛り込んだ。連合会は11年度、加盟商工会の指導員らの採用・異動といった人事権を各商工会長から同連合会長に一元化。経営指導員の広域的な配置を目指し、各商工会長が推薦した指導員に対するリーダー研修などを通じ、指導力を強化してきた。 連合会によると、12年度の県内商工業者の平均組織率は59・4%で、03年度と比べて5・3ポイント低下。また財政難を背景に県は15年度から商工団体向けの補助金の算出方法を見直す計画で、補助金の減額が見込まれているため、効率的で偏りのない支援体制を目指す。 細野邦俊専務理事は「会員のニーズに応えられる組織でなければ商工会は生き残れない。支援の充実で地域の中核となる企業を存続させていきたい」としている。(長野県、信濃毎日新聞社)
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