国立公園の北アルプス・上高地に入る前にマナーを学ぶ全国初の施設として環境省が整備した「沢渡ナショナルパークゲート」(松本市安曇)が19日開所し、初の本格運用を始めた。上高地に通じる県道上高地公園線も同日開通し、山の観光シーズンがスタート。冷え込んだ空気の中、観光客らがバスやタクシーに乗り上高地へ向かった。 今季から沢渡の駐車場でマイカーを止め上高地に向かう人は原則「ゲート」を通る。観光客らはゲート内で「植物などを採らない」「歩道を外れ踏み込まない」などと呼び掛ける映像やポスターを眺めていた。ゲート出口には外来植物の侵入を防ぐため靴底に付いた種を取り除くマットが設けられ、その上を通ってバスなどに乗り換えていた。 上高地の開山祭を27日に控えた沢渡はこの日、風が強くて肌寒く、観光客はまばら。ジャンパーを着込んで訪れた福岡県北九州市の尾形俊明さん(81)は「大切な上高地を守るには良い施設。何度も訪れている上高地で好きな写真を撮りたい」と話していた。 長野地方気象台によると、県内は19日、朝の最低気温が平年を下回ったのは30観測地点中13カ所。野沢温泉村では平年より3・7度低い0・8度だった。日中は、この時期としては強い寒気が流れ込んでいるため、北部、中部を中心に最高気温は平年を下回る所が多い見込み。(長野県、信濃毎日新聞社)
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