北アルプス・上高地(松本市安曇、標高約1500メートル)で27日、「第45回上高地開山祭」が開かれた。例年は春山観光シーズン到来を告げる機会だが、この日は雪が激しく降り続く悪天候。会場を河童橋たもとから上高地バスターミナルに変更したが、県内外から多くの人が訪れ、本格的な春の到来を待ち望んだ。 吹雪模様で穂高連峰は望めず真冬のような状況だったものの、主催する実行委員会によると、約2500人が集まった。アルプホルンの演奏で始まり、安全を祈願する神事や開山を祝う獅子舞の披露があった。鮮やかな色のかっぱ姿の観光客らが盛んにカメラのシャッターを切っていた。 実行委員長の上條敏昭・上高地町会長はあいさつで「雪の中、多くの方に集まってもらえうれしい。災害がない安全な年になってほしい」と話した。 開山祭の前後、雪景色になった河童橋周辺を、寒さに負けじと散策する人も目立った。 一方、降雪で北ア南部地区山岳遭難防止対策協会はこの日、上高地・横尾より先、槍・穂高連峰への入山は特に注意するよう呼び掛けた。奥穂高岳を目指す登山ツアーで訪れた川崎市の会社員池田泉さん(49)は「ただただ天候の回復を祈るのみです」と話していた。(長野県、信濃毎日新聞社)
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