中央アルプス檜尾岳(ひのきおだけ)(2728メートル)付近で29日、韓国人グループ20人のうち9人と連絡が取れなくなった遭難事故で、県警は30日午後、稜線(りょうせん)上の登山道の別々の場所で心肺停止状態で発見した男性3人を県警ヘリコプターで収容、駒ケ根署で死亡を確認した。いずれも死因は低体温症とみている。また、唯一所在が不明だった男性1人を稜線西側の沢で見つけたが、心肺停止状態だった。県警は9人のうちの4人とみて、引き続き身元の確認を急いでいる。 県警によると、心肺停止状態の男性は午後4時12分ごろ、宝剣岳(2931メートル)西側の沢の上部で見つかった。稜線から約100メートル滑落しており、31日朝から収容する予定。死亡した3人は登山用ではない薄手の雨具だった。 他の16人は30日夜までに下山。このうち2人が駒ケ根市内の病院で足の打撲と診断されたが、いずれも命に別条はない。 駒ケ根署は同日、下山したメンバーや、山小屋の宿泊を予約した都内の旅行業者から事情を聴いた。県警によると、20人はいずれもツアー参加者。全員が顔見知りというわけではなく知り合い同士で散り散りに行動していたとみられ、ガイドは同行していなかった。遺族の一部が同署に向かっているという。(長野県、信濃毎日新聞社)
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