長野市の善光寺で10日、患部と同じ場所をなでると病気やけがが治ると伝えられる「びんずる尊者像」が11日で完成300年となるのを前に、報恩感謝法要があった。多くの参拝客の健康への願いを受け止めてきた尊者像の前で僧侶15人が読経し、訪れた人たちが手を合わせた。 同寺によると、びんずるは釈迦(しゃか)の弟子の1人で、高さ83・4センチの木製座像は1713(正徳3)年8月11日に京都で完成した。ことし4月下旬から約1カ月間、東日本大震災被災地の復興支援のため東京・両国の回向(えこう)院で開いた出開帳で、初めて「出張」した。 法要後は多くの参拝客が早速、目や頭、肩などをなでていた。飯山市出身の日野和子さん(75)=東京都葛飾区=は「帰省するたびにお参りしている。長野が長寿なのはびんずるさんのおかげもかもしれませんね」と話していた。 善光寺では来年8月9日まで、記念の朱印を1枚300円で頒布する。(長野県、信濃毎日新聞社)
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