お盆休み期間終盤の18日、岐阜県から来た写真愛好家グループの12人が死傷した下高井郡木島平村のマイクロバス転落事故。現場に駆け付けた飯山署員らによると、バスは転落した際、窓ガラスが割れ、複数の人が車外に飛ばされた。現場は急斜面で、岳北消防本部の消防隊員たちは、バスが再び下方に動きだすのを防ぐためロープで車体を固定し、車内にいる人たちの救助に当たった。 バスは幅約5メートルの林道から約18メートル下に転落した=図。消防隊員(44)らによると、乗っていた人たちは、斜面に横倒しになり、木の枝や土、カメラバッグなどが散乱した車内で救出を待っていた。「問い掛けには応じる程度で、患者から何かを訴えることはなかった」 林道に引き上げられたバスは、助手席側を中心に大きく変形し、側面や後部などの至る所がへこんでいた。 乗客の1人は、事故の状況について取材に「見たままの通り」と言葉少なだった。 村によると、現場の林道は観光客の利用が多く、冬季は閉鎖される。村は急カーブにはできるだけガードレールを設けるなどしているといい、これまではほとんど事故はなかったという。今回の現場について村は「比較的緩やかなカーブで見通しも悪くない」ことから、ガードレールなどは設置していなかった。浦山宏一副村長は「もっと険しい場所もあり、今回の場所での事故は意外」とし、「再度、林道全体の安全点検をしたい」と語った。 亡くなった岐阜市の河村信作さん(82)が所属した別の写真愛好家グループのメンバー男性(66)=岐阜市=は取材に対し、「河村さんは1カ月か2カ月に一度、バスに乗って主に夜明けの写真を撮りに行っていると聞いていた」とし、「7月は霧ケ峰を訪れたといい、ニッコウキスゲの見事な写真を見せてもらったばかりだった」と惜しんでいだ。(長野県、信濃毎日新聞社)
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