埴科郡坂城町坂城のしなの鉄道坂城駅構内の本線と引き込み線の合流点で3日未明、最終の上り普通列車と工事用車両が接触した事故で、工事用車両の作業監督者が「(自分の)時計が3分進んでいたので列車が通過したと思い込み、車両を動かした」と証言していることが、捜査関係者への取材で分かった。業務上過失往来危険容疑で調べている千曲署と県警捜査1課は証言の裏付けを急ぐ一方、作業を発注したしなの鉄道(上田市)が作業工程をどのように管理していたのか慎重に調べている。 千曲署などは13日深夜から14日未明にかけ、事故発生時に近い状況で工事用車両と列車を走らせる実況見分を同駅構内で行った。作業監督者や当時普通列車を運転していた運転士のほか、しなの鉄道関係者も立ち会い、事故の経緯を確認した。 千曲署などによると、事故は3日午前0時4分ごろに発生。上田行き上り普通列車(3両編成、乗客21人、乗員2人)が、引き込み線との合流点で本線の車両との接触を避ける「車両接触限界標」を超えて停車していた工事用車両(2両)と接触した。けが人はなかった。 しなの鉄道の説明によると、普通列車は3日午前0時3分すぎに坂城駅を出発した。一方、工事用車両の移動開始予定は同0時6分だったが、作業監督者の時計が3分進んでおり、工事用車両は実際には0時3分に動き始めたとしている。県警に対する証言はこれを裏付ける内容。(長野県、信濃毎日新聞社)
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