JR東日本が来年3月中旬に長野新幹線長野―東京間で先行して営業運転を始める新型車両「E7系」について3編成(1編成・12両)程度導入する方向で調整していることが3日、分かった。12月中としていた県内でのE7系の試験走行は、15日から軽井沢(北佐久郡軽井沢町)―長野新幹線車両センター(長野市)間で始める。 JR東日本などによると、現在仙台―盛岡間で試験走行しているE7系は大宮などを経由して15日未明に県内入りする。現時点の計画では、今月は16日、18日、21日、23日の午前0時から5時の間にも軽井沢―同車両センター間を1日3往復程度する。来年1月19日、20日、23日は高崎(群馬県高崎市)―同センター間で実施する。 試験走行は車両の性能確認と、軽井沢―佐久平間にある周波数が50ヘルツから60ヘルツに切り替わる地点に対応した機器が正常に動作するかどうかや、長野・群馬県境の碓氷峠がある急勾配区間での安定走行などを点検する。開業区間のため、2日に長野以北区間で試験走行を始めた新幹線総合検測車「イースト・アイ」のような低速走行の予定はなく、場所や状況に合わせ営業速度の時速260キロまで速度を上げる。 現行の長野新幹線専用のE2系は現在、14編成(1編成・8両)導入し、1日当たりの定期運行は28往復。E7系が完成するごとに徐々に切り替える。先行導入期間も、現行のE2系と同様、長野―東京間は「あさま」の列車愛称で運行。E7系は2015年3月の長野―金沢間の延伸開業後は、東京―金沢間を主体に運行する見込みだ。 JR東日本の冨田哲郎社長は3日の定例記者会見で、E7系について「来年春に現在の長野新幹線に一部導入したい。それまでに試験運行や乗務員の訓練をしなければならない」と述べた。(長野県、信濃毎日新聞社)
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