米軍の新型輸送機オスプレイの沖縄への配備に反対する住民の姿を追ったドキュメンタリー映画「標的の村」(琉球朝日放送制作)の上映会が11日、長野市であった。市民有志が企画し、計3回の上映で約630人が鑑賞。沖縄県民の怒りが伝わってくる場面が次々と映し出され、来場者はじっと見入った=写真。 沖縄本島北部の東村(ひがしそん)の高江集落を囲むように計画されたオスプレイの離着陸帯の建設に反対し、工事用ダンプの前に座り込む女性たちや、配備先の米軍普天間飛行場(宜野湾市)のゲートを封鎖して警察に排除される市民の姿が紹介された。 オスプレイの使用を明らかにしないまま離着陸帯の工事を進める防衛省職員に対し、「何が起きるのか分からないまま進められている。私たちには知る権利もないのか」と詰め寄る住民の姿もあった。 沖縄県在住の友人がいるという長野市稲里町の自営業桜井弥生さん(37)は「長野からは遠く、基地問題は現実味がなかったが、沖縄は返還後も米国の占領下と同じ扱いをされ、それに甘んじている(本土の)自分たちがいることが分かった」と話していた。(長野県、信濃毎日新聞社)
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