塩尻市民でつくる実行委員会と同市文化振興事業団は23日、「第15回信濃の国大合唱フェスティバルin塩尻」を同市のレザンホールで開いた。公募の市民ら約80人が、県歌「信濃の国」に登場する長野市松代町出身の幕末の思想家佐久間象山(1811~64年)を題材にした演劇を上演した。 劇は象山の幼少期から、開国論を説いて京都で尊王攘夷(じょうい)派に暗殺されるまでの生涯を取り上げた。弟子の吉田松陰(1830~59年)に海外渡航を唆したとして松代に閉居させられた後、周囲の心配を振り切って京都へ向かう様子などを描いた。 脚本は、朗読団体の指導・育成などをしている美咲蘭さん(松本市)が担当。殺陣師の上野隆三さん(京都市)が殺陣の場面を特別演出した。 鑑賞した塩尻市の農業百瀬美子さん(83)は「象山の人を思いやる気持ちが感じられた。伝記を読んでみたい」と話していた。 フェスは信濃の国を歌い継ぐとともに、文化振興を図る目的で、約1200人の観客全員による信濃の国の合唱もあった。(長野県、信濃毎日新聞社)
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