東日本大震災から11日で3年を迎えるのに合わせ、飯田市美術博物館で8日、企画展「地震と地盤災害―そのとき、何が起こるか」が始まった。山間部が多い飯田下伊那地方では地震の揺れに伴う山崩れなどが予想されるため、過去の地震による土砂災害などを解説し、地震への備えを呼び掛けている。 1984(昭和59)年の県西部地震では御岳山の山腹が崩れ、2004年の新潟県中越地震でも地滑りが発生した。企画展ではこれらを振り返りつつ、飯田市南信濃を震源として1718(享保3)年に発生したマグニチュード(M)7・0の「遠山地震」について詳しく解説している。 同館専門研究員の坂本正夫さん(66)の調査によると、確認された遠山地震の被害は長野と愛知、岐阜、静岡県で計35カ所。場所を地図に示しており、被害は松本市の松本城や愛知県犬山市の犬山城などにも及んだ。阿南町富草新木田で発生した土砂崩落が天竜川をせき止め、上流に天然湖ができたことも図解した。 飯田市南信濃木沢の住民たちが土砂災害の注意箇所をまとめた地図を展示したコーナーもある。坂本さんは「過去の身近な地震を学ぶことで災害に備えてほしい」と話す。 5月6日まで。月曜と祝日の翌日は休館。一般310円、高校生200円、小中学生100円。(長野県、信濃毎日新聞社)
↧