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上伊那の高校生有志、「平和ゼミナール」再開へ 

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 上伊那地方の高校生有志が来年度、伊那谷の戦争体験者から話を聞いたり、討論したりする自主活動「上伊那高校生平和ゼミナール」の活動を始める。県内の平和ゼミは、2004年に活動を休止して以来となる。年配者からの戦争証言の収集や講師を招く自由な話し合い、他県の平和ゼミ生との交流を重ねる。県内の高校生の参加を広く募って輪を広げる予定だ。  有志は箕輪進修高(上伊那郡箕輪町)2年の倉科雄多君(17)、辰野高(同郡辰野町)1年の矢沢香菜さん(16)、百沢琴乃さん(15)。これまで、化学兵器などを研究・開発し、太平洋戦争末期に川崎市から上伊那地方などに疎開した「陸軍登戸研究所」について学んできた。その中でかつて上伊那に平和ゼミがあったと知り、意識してきた。  3人は21~22日、福島県の高校生平和ゼミが福島市で初開催した原発事故や復興を考える「集い」に参加。東京や岐阜、神奈川、岩手など6都県の約30人と、原発事故について感じていることを語ったり、相馬市で漁師や農家の話を聞き取ったりした。  平和ゼミは4月、福島での活動を振り返るミーティングの開催から始める。その後、満蒙(まんもう)開拓や陸軍登戸研究所について話を聞く場を設ける。こうした取り組みを積み重ねる中で、各テーマに対する自分なりの考え方を見つけていきたい、という。  福島の集いに参加した3人は福島県を訪れるのは初めて。現場の人の話を聞き、高校生同士で語り合うことで発見があった。「被災地や原発のことをもっと知りたいと思った。問題意識が高い他県の高校生に勉強させてもらった」と百沢さん。矢沢さんも「現地を自分の目で見て、漁師さんたちの話を聞けたのがよかった」と話す。倉科君は「高校生がみんなで対話できる活動にしていきたい」と抱負を語る。  集いに参加した福島工業高1年の斎藤一哉君(16)は「原発事故もあり、これまで『福島に来てください』とは言いにくかった。長野にも平和ゼミナールができてつながりが強くなればうれしい」。  3人から相談を受けた箕輪進修高の北原恵美教諭が、上伊那高校生平和ゼミの世話人を務める。北原教諭は「大勢が集まって、平和や環境のことを意識するような活動を生徒たちが主体となって続けてくれたらうれしい。自由に活動できるようサポートしていきたい」と話している。(長野県、信濃毎日新聞社)


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