23日の春の高校伊那駅伝(伊那市や信濃毎日新聞社などの実行委員会主催)で、伊那市平沢の是石(これいし)里美さん(65)が愛知産業大三河高校(愛知県)男子チームの選手、監督計9人の「農家民泊」を受け入れた。「おばあちゃんの家」のような雰囲気を心掛け、食事は地場の野菜やコメが中心。レース後、是石さんにねぎらわれた選手たちは「また来ます」と伊那路を後にした。 伊那市は、2012年度から教育旅行などで「農家民泊」を試験導入。駅伝実行委は「地元の人との触れ合いの場としても活用してほしい」と、今大会の宿泊先の選択肢に加えた。ほかに1校が希望したが欠場した。 22日の夕食作りは選手もフキノトウを刻んだりして手伝った。「疾走するで」と是石さんがイナゴのつくだ煮を出すと、選手はびっくり。ほかに野菜たっぷりの豆乳鍋、きんぴら、ご飯などがいろりや食卓に並んだ。夜はまきストーブで沸かした湯で湯たんぽを用意。「粘れるように」と23日の朝食には餅を出した。 是石さん家族や野菜を提供した近所の人は23日、校名と校章の入った小旗を作って発着点の伊那市陸上競技場近くで声援を送った。レース後、主将の2年小林徹也君(17)は「自分の家のようにくつろげた。お米もおいしかった」と感謝。是石さんは「親のような気持ちでしっかり見届けました」と話していた。(長野県、信濃毎日新聞社)
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