須坂市大日向町の住民有志でつくる「大日向桜・里地を守る会」(38人)が地元の農業用水路に発電用の水車を設置し、9日から発電を始めた。起こした電気を水路近くの防犯灯3基などに供給する「点灯式」を同日、水車を設けた水路脇の市有地で開催。防犯灯などで使い切れない電気はバッテリーにためて誰でも使える仕組みにし、早速、電動アシスト自転車を充電しに来た住民もいた。 水車は直径3・5メートル。出力は水路の水量で変動するが、おおむね600ワット。設置費は500万円で、うち300万円は県の元気づくり支援金。残りは寄付金などで賄った。 点灯式は会員ら約40人が出席。宮本勇雄会長(70)は「水をみんなで使い、地域の活性化に役立てたい」とあいさつ。同会幹部らがスイッチを押し、照明に明かりがつくと、拍手が起きた。 宮本会長によると、電動車いすを利用する地元のお年寄りから「須坂駅前に出掛ける際、途中で充電できる場所がほしい」といった意見が寄せられていたという。この日、電動アシスト自転車を充電した近くの神田一二(いつじ)さん(61)は「無料で便利。大変ありがたい」と話していた。 同会が小水力発電装置を設置するのは2基目。2年前に設けた1基目は、地元集会所近くの防犯灯などに使っている。(長野県、信濃毎日新聞社)
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