長野冬季五輪フリースタイルスキー女子モーグルの金メダリスト里谷多英さん(36)の現役引退が発表された18日、当時、競技運営などを支えた人たちからは、「感動を与えてくれた」とあらためて里谷さんをたたえ、ねぎらう声が聞かれた。 里谷さんが金メダルを取った時、競技会場の飯綱高原スキー場(長野市)でボランティアとして会場警備に当たっていた上水内郡信濃町平岡の三沢智恵さんは、引退を聞き驚いた様子。「『多英がやった』という歓声が今も耳に残っている。里谷さんが金を取ってくれたおかげでボランティア同士の結束が強まった」と振り返った。 長野冬季五輪組織委員会(NAOC)に出向し、会場責任者を務めていた元市職員水野守也さん(60)=長野市中越=は「金メダルが決まった瞬間、地響きのような歓声が起きた。引退を知り、当時の感動がよみがえった」と感慨深げに話していた。 同スキー場には、里谷さんの金メダル獲得を記念した「里谷多英コース」がある。利用者が少ないとして一度は閉鎖されたが、その後、深雪コースとして復活。同スキー場は、里谷さん引退後もコース名を変更する予定はなく「里谷選手を招いたイベントなども考えたい」としている。(長野県、信濃毎日新聞社)
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