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Channel: 信濃毎日新聞
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LEDでカメムシ集め捕獲 コメ害虫発生予測装置

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 県農業試験場(須坂市)は、コメの品質を低下させる「斑点米」の原因となるカメムシの発生を、発光ダイオード(LED)を利用して予測する装置を新たに考案した。カメムシが特定の波長の光に集まる習性に着目。LEDからその波長の光を出してわなに誘い込んで捕まえ、発生状況を的確に把握する。農薬散布の必要性の判断や適切な時期の見極めなどがしやすくなる―とし、稲作農家向けに農業資材メーカーとともに製品化を目指す。  カメムシ類が汁を吸うことで玄米に斑点状の変色が生じる斑点米は、コメの品質低下を招く病虫害の一つ。県内では斑点米を引き起こすカメムシが7種類ほど確認されており、特に「アカヒゲホソミドリカスミカメ」は広範囲で発生し、被害が最も大きいという。  アカヒゲホソミドリカスミカメは波長の短い紫外線に集まる性質があり、穂が出る時期の前に水田に装置を取り付け、夜間に、その波長の光を発するLEDをともす。わなで捕まった数から本格的な発生時期や発生量を予測、効果的な農薬散布などにつなげる。場内の試験水田のほか、2年前から北安曇郡白馬村の水田にも設置しデータを収集。一連の事業は、光を使った害虫防除の方法を研究する農林水産省の委託研究の一環だ。  県産米は、2001年産から11年間、1等米比率が全国1位を続けてきたが、12年産は高温障害などの要因で他県に首位を譲る可能性が出ている。コメの品質検査基準では、斑点米が0・1%以上混じると等級が下がって2等米になる。斑点米の発生は、水田の環境などで地域的な偏りがあるものの、県産米の品質向上には対策が必須という。  害虫の発生状況を把握するには、捕虫網によるすくい取り調査などがあるが、アカヒゲホソミドリカスミカメは体長6ミリ程度と小さく、捕獲には労力がかかる。効果的な農薬散布がコスト削減にもつながるといい、同試験場は「新たな発生予察の調査方法として農家に広めていきたい」(環境部)としている。(長野県、信濃毎日新聞社)


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