県教委は7日の定例会で、教職員の不祥事の公表ガイドラインをつくる組織を早急に発足させることを決めた。山口利幸教育長は会見で、教職員の「懲戒処分等の指針」を変更し、被害者側が求めた場合は処分自体を非公表にできるようにしたことに批判が相次いだ点に触れ、「この組織で指針変更も一体的に議論してもらい、変えるべきところは変える」と述べ、指針の変更を見直す可能性もあるとの認識を示した。 ガイドラインづくりは、県と県教委が設置した「教員の資質向上・教育制度あり方検討会議」の倫理向上専門部会が昨年、全体会合に提出した報告書案に盛り込んだ。報告書は3月にまとまるが、県教委は作業を前倒しする。 懲戒処分等の指針は、県教委が県立特別支援学校の寄宿舎で元男性指導員(30)=懲戒免職、児童福祉法違反の疑いで書類送検=が女子生徒にわいせつな行為をさせた事件を受け、1月に変更。教育関係者などからも批判が相次いだ。 この日の定例会で、耳塚寛明委員(お茶の水女子大理事・副学長)は「(2、3日だけの)議論の過程を思うと、いくつか課題があった」と発言。生田千鶴子委員(自営業)は「恣意(しい)的な運用はない、原則公開は守ると声高に言っても、今の県教委の声は信頼してもらえるだろうか」とし、「県民感覚から少しずれている」と述べた。 ガイドラインをつくる組織は有識者や保護者ら4人程度で、年度内に結論を出す。山口教育長は会見で、議論の過程は教育委員に報告し、教育委員との意見交換も検討するとした。(長野県、信濃毎日新聞社)
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