鹿児島市内で2次キャンプ中のサッカーJ2(Jリーグ2部)松本山雅FCがJ1清水エスパルスと練習試合をした10日、会場の鹿児島ふれあいスポーツランド(鹿児島市)には松本市などから大勢のサポーターが駆け付けた。また、周辺では観光交流を狙ってそばが振る舞われ、鹿児島市民らに好評だった。松本、鹿児島の両市が昨年9月に結んだ文化・観光交流協定による鹿児島での本格的な民間交流の第1弾。両市の関係者は松本山雅を通じた交流の広がりを期待していた。 清水との練習試合は約500人が観戦。松本市などからも多くのサポーターが駆け付け、松本山雅を応援する横断幕が飾られた。試合は0対0の引き分け。松本市内の旅行会社が企画した観戦ツアーを利用して訪れたサポーターの村松昭雄さん(71)=松本市井川城=は「開幕前に選手の状態を見たいと思った。守備がしっかりしていたので、見に来たかいがあった」。日帰りで訪れ、午前中は鹿児島市内を観光した元木淳さん(48)=上田市小島=は「上田出身の塩沢(勝吾)選手を応援しようと来た。山雅のおかげでいろんなところに旅行ができる」と喜んでいた。 会場には、松本市の菅谷昭市長や市職員らが訪れ、観光パンフレットを配り、地元産そば粉の山菜入りそば600食を振る舞った。行列ができるほどの人気ぶりだ。鹿児島市の主婦松田美知子さん(67)は「山菜がたくさん入っていておいしかった。松本は北アルプスなどの山並みがきれい。いい観光ツアーがあれば訪れたい」と話していた。 この日、鹿児島市からはチームに鹿児島県産黒豚や黒牛の肉65キロなどが贈られた。応援に訪れた山雅後援会長で松本商工会議所の井上保会頭は「九州新幹線とFDA(フジドリームエアラインズ)を使えば鹿児島を朝に出て松本に昼前には着く。鹿児島の人たちも松本に来てくれるよう民間レベルでも交流を進めていきたい」と話していた。(長野県、信濃毎日新聞社)
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