大町市社(やしろ)宮本で住宅などを全焼した9日午後の火災で、大町署は10日未明、現住建造物等放火の疑いで、焼失した住宅の隣家に住むアルバイト従業員、横沢誠也(せいや)容疑者(22)を逮捕した。 逮捕容疑は、9日午後1時すぎ、横沢照夫さん(85)方の物置付近に放火し、木造2階建て住宅と物置を全焼させた疑い。同署によると、出火時の周辺の聞き込みで同容疑者の話に不審な点があったことから任意で事情を聴いたところ、犯行を認めたという。可燃性の高い液体を使って火を付けたとみられるという。 逮捕前、同容疑者は火災現場での信濃毎日新聞の取材に、「何かが燃える臭いがして家から出てみたら隣家の物置から煙が上がっていた。あっという間に住宅に燃え広がった」と語った。同容疑者は消防団に所属しているが、知り合いの消防団員には、「風邪をひいて家で休んでいた」と話していた。 横沢さん宅の北東約200メートルには国宝仁科神明宮(にしなしんめいぐう)があり、昨年4月、参道入り口にある宮本公民館の畳や壁を焼く不審火があった他、同8月にも境内の社務所の一部を焼く不審火が発生。同署はこの2件との関連も含めて調べを進める。 同容疑者が昨年ごろから所属していた市消防団分団の男性(39)は「訓練参加は積極的とはいえなかったが、地域を担う人材として期待していた。残念だ」と話していた。(長野県、信濃毎日新聞社)
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