気象庁精密地震観測室(長野市松代町)は12日、北朝鮮の核実験によるとみられる地震波を観測した。 同室付近の直径約10キロの範囲に設置した8カ所の地震観測計からなる「群列地震観測システム」で、同日午前11時59分57秒から約30秒間観測。伝達が速く揺れが小さい初期微動(P波)は確認できたが、伝達速度が遅く揺れが大きい主要動(S波)の波形は不明瞭だった。同室の橋本徹夫室長によると、2006年と09年に北朝鮮が核実験を行った際に観測した波形と同じ特徴があり、「震源」とみられる場所もこれまでの核実験の場所とほぼ同じと推定されるという。 同室では常時昼間2人、夜間1人の24時間体制で観測しており、北朝鮮が核実験を強行する構えを見せていたことから、警戒を強めていた。08年に地下約700メートルに設置した高性能の地震計はケーブルの不具合で故障中のため観測できなかったが、それ以外の地震観測計で観測できたため支障はなかったという。(長野県、信濃毎日新聞社)
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