Quantcast
Channel: 信濃毎日新聞
Viewing all articles
Browse latest Browse all 7401

「世界レベルの製氷」胸に 日本選手権担当、軽井沢の藤巻さん 

$
0
0

 札幌市で開かれているカーリングの日本選手権(12~17日)で、県カーリング協会理事長の藤巻正さん(52)=北佐久郡軽井沢町長倉=がアイスメーク(製氷)を担当している。日本から世界で戦えるチームが育つには、競技の場も世界レベルにする必要があるとの思いから、日本カーリング協会の副強化委員長も務めた小泉進さん(65)=茅野市ちの=と、2007年に日本協会内にアイスメーク研究会を結成。研さんを積んできた。【17面参照】  藤巻さんによると、かつては国内主要大会でもリンクによる「癖」が大きく違った。日本で勝てても世界で通用しない一因となっていた。  小泉さんも15年ほど前から、世界レベルの製氷の必要性を感じていた。1996年、カナダのカーリング協会が発行するアイスメークのライセンスを取得。アイスメーク研究会では小泉さんが代表、藤巻さんが事務局長を務める。藤巻さんは自営業の傍ら、国内各地の主要大会でアイスメークを手掛けてきた。  世界レベルの氷は「よく滑りよく曲がる」。ゲームが複雑になり、見る側の楽しさも増す。「滑る氷」とは、ストーン(競技で投げる石)を弱く投げてもハウス(的)まで届く氷だ。氷温や室温、まく水の水温など、あらゆる条件を踏まえ、経験も基に作る。  カナダやヨーロッパでは、アイスメーカーは選手らから尊敬され、職業として成り立っている。だが、日本での認知度は低い。藤巻さんたちが以前、世界標準に近い氷を作った時、「なんでこんなに曲がるようにしたんだ」と怒る選手もいたという。  日本協会は、アイスメーカーのランクを入門の1から4まで4段階に設定。藤巻さんによると、現在4はおらず、3は小泉さん、藤巻さんら5人。藤巻さんらのアイスメークはボランティア的な活動のため、国内の各競技場が常に高いレベルで氷の状態を維持できるわけではない。  これまで国内の国際大会では必ず海外からアイスメーカーを呼んでいたが、ことし1月に北海道北見市で開いたパシフィック・アジア・ジュニア選手権で、藤巻さんら2人の日本人だけでの製氷が認められた。藤巻さんは「ようやくここまで来たという思い。強いチームがきちんと勝てる氷を作りたい」と語った。(長野県、信濃毎日新聞社)


Viewing all articles
Browse latest Browse all 7401

Trending Articles