県林務部は16日から、ニホンジカによる農林業被害対策として出産前の雌を集中的に捕獲する取り組みを始める。同日から5月末までを「捕獲強化期間」に設定。市町村や猟友会と連携して捕獲作戦を展開し、ニホンジカの生息数を効果的に減らす狙いだ。 同期間の設定は2年目。昨年は3~6月とし、期間中に雄の約1・5倍の雌を捕獲したが、雌の大半が6月には出産を終えているとみられたため、ことしは前倒しすることにした。 同部は、猟友会などに雌を優先的に捕獲するように要請。繁殖期後のニホンジカは雄と雌が別々の群れで行動するため、雌が現れる場所に多くのわなを仕掛けるといった対応をとってもらう。 2011年度の雌の捕獲実績は、目標の1万8千頭に対して1万5千頭余りにとどまっていた。県は12年度から3年間、ニホンジカの年間捕獲数を3万5千頭とし、このうち雌は2万6千頭を目標としている。県野生鳥獣対策室は「雌ジカの捕獲で効果的に増加率を抑えられる」と期待している。(長野県、信濃毎日新聞社)
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