Quantcast
Channel: 信濃毎日新聞
Viewing all articles
Browse latest Browse all 7401

鳥獣の食害対策にIT活用 塩尻・北小野地区、センサーで検知し通知

$
0
0

 情報技術(IT)を活用して鳥獣害対策を―。塩尻市北小野の上田区で熱感知センサーと無線ネットワーク、インターネットをつなぎ、野生動物による農業被害を抑える試みが成果を上げつつある。同区と、塩尻市内の企業などでつくる「ITアグリ研究会」が連携。昨年の実証実験で耕作地の被害が大きく減ったため、ことしはセンサーの新たな使い方を試してさらに効果を高める計画だ。  実証実験では、市内全域に張り巡らされている光ファイバー網とこれに接続する約500カ所の無線中継器を活用。昨年6月、耕作地周辺の山林内5カ所にセンサーで動物の接近を検知する「侵入発見装置」を、1カ所にセンサーを組み込んだおりをそれぞれ設置した。  センサーは15メートル以内に近づいた動物の体温を検知。無線中継器とインターネットを経由し、農家など登録者の携帯電話、パソコンに動物が出没した場所や時間、動物がおりに掛かったことを知らせる仕組みだ。  侵入発見装置は太陽光パネルを備え、ブザーや発光ダイオード(LED)の光で動物を威嚇する機能もある。昨年6~11月にセンサーが動物を検知したとみられるのは約350回に上り、赤外線カメラを取り付けた1カ所ではイノシシが多く出没していることが分かったという。  動物の出没を検知した場合は区民が花火などで追い払った他、主にイノシシが多く出没する地域を絞り込んでロープやネットを張ったり、わなを仕掛けたりして重点的に対策を施した。その結果、装置のある山林に近い耕作地約29ヘクタールでは、2011年は約7割がイノシシ、猿、鹿などの被害を受けたが、12年は約2割に激減。作物の収穫量も3・5倍に増えたという。  同研究会の坂本一行会長は「大変な成果が挙がった」と自信を深め、上田区長の金井盛吉さん(74)も「動物がどこに何匹出たかをデータや写真で示すことができ、住民みんなで対策しようという機運が生まれた」と話している。  ことしは今月末にシステムを稼働。わなにもセンサーを設置し、動物が掛かったかどうか住民が見て回る負担を軽くすることも予定している。(長野県、信濃毎日新聞社)


Viewing all articles
Browse latest Browse all 7401

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>