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原則公開の教育委員会の会議 2011年度、県内63市町村教委で傍聴ゼロ

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 公開が原則の教育委員会の会議の傍聴者が昨年度、県内77市町村のうち、8割余に当たる63市町村で年間を通じてゼロだったことが22日、県教委への取材で分かった。背景には積極的な広報の不足、それによる住民の関心の低さ、会議の形骸化などがある。県内で教員不祥事や体罰が相次ぎ、教委の閉鎖性も問題視される中、住民から遠く、つながっていない実態が浮き彫りになった。専門家からは、住民が傍聴に訪れやすくなるよう、教委は知らせ方や開催時間などを工夫する必要がある―との指摘が出ている。  教育委員会は、各自治体の学校教育や社会教育、文化、スポーツに関する政策を決め、行政運営を担う最高執行機関。原則5人の委員が月1回程度開く会議(定例会)は、2001年の地方教育行政法の改正で原則公開が義務付けられた。  傍聴者の状況は、文部科学省の調査に合わせて県教委が集計した。昨年度に会議の傍聴者があったのは長野、松本、飯田、伊那、大町、茅野、塩尻、千曲、安曇野の9市教委と諏訪郡富士見町、南佐久郡北相木村、上伊那郡宮田村、木曽郡王滝村、東筑摩郡朝日村の5町村教委。残りの63市町村教委は、年度内を通じて傍聴者がなかった。  ただ、傍聴者があった14市町村教委も住民の関心が高いとはいえない。会議1回当たりの平均傍聴者数は最も多い松本市教委でも1・7人で、同市と飯田市(1・1人)を除く残り12市町村教委は、平均1人未満。  県内の複数の教育委員や専門家らの話を総合すると、定例会の日時や開催場所、議題を事前に自治体の広報やホームページなどで知らせている市町村教委は一部にとどまっている。また、会議は通常、平日の昼間に開くため傍聴できる人が限られる。  教育長を除く委員は非常勤のため、市町村の行政職員などで構成する事務局が提出する議案をそのまま認めることになりがちな上、教員の不祥事などはプライバシー保護の面から非公開での論議となるケースも少なくない。  沖清豪(きよたけ)・早稲田大文学学術院教授(教育行政学)は「教育に限らず行政は、できるだけ閉じた方が運営しやすいと考えているから、公開していく発想が乏しい。夜間の会議を開くなど住民が傍聴しやすくする取り組みを進めるべきだ」と指摘している。(長野県、信濃毎日新聞社)


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