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戦跡の調査・保存へ組織 上田市教委 来年度めどに設立へ

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 上田市教育委員会は、市内の戦争遺跡を調査・保存する目的で、市民参加の組織を来年度をめどに設立しようと準備を進めている。同市中之条の旧上田飛行場などは、建設やその後の経緯などが分かっていない部分もあり、市民有志や有識者の協力を得てできるだけ把握し、後世に残したい考え。既に2回の準備会を開き、市民と共に情報収集を始めている。  全国各地の有志グループなどでつくる「戦争遺跡保存全国ネットワーク」(事務局・長野市)の運営委員、菊池実さん(58)=群馬県高崎市=は「行政と市民が協力し、戦争遺跡の保存を進める取り組みは先進的だ」と評価する。  市教委によると、旧上田飛行場は現在の上田千曲高校の敷地内にあった。現地には建設の大まかな経緯を記した石碑がある。市教委職員は1月、東京の防衛省防衛研究所と国立国会図書館を訪れ、関連資料を収集した。  今月7日、菊池さんも招いて資料収集の報告を兼ねた準備会を上田市内で開いた。戦争遺跡を研究している市民グループの代表者ら6人が参加。市教委側は、上田飛行場と周辺の写真など、入手した資料を示し、「市は国から借金をして1931(昭和6)年に市営飛行場の本格運用を始めたものの、翌32年に陸軍に譲渡した」などと説明した。  郷土史家らでつくる「上田小県近現代史研究会」の新津新生(あらお)事務局長(72)=上田市上田原=は「完成後1年で寄贈したとは知らなかった。当時の市議会で問題になったのではないか」と述べた。今後、同飛行場に関する市議会の議事録などをさらに詳しく調べることや、武器製造拠点など市内の戦争遺跡についての情報提供を市民に呼び掛けることを確認した。  発足させる検討委の人数は未定で、市教委が人選を進めている。市教委の浅野之宏(ゆきひろ)・生涯学習課長は「終戦直前には空襲で少なくとも5人死亡したが、詳細は分かっていない。こうした史実も調べたい」とする。  問い合わせや情報提供は上田市教委生涯学習課(電話0268・23・6370)へ。(長野県、信濃毎日新聞社)


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