上伊那郡飯島町本郷の飯島城跡一帯で3日、模擬合戦が開かれた。戦国時代の史跡を活用し、郷土の歴史を見つめ直そうと町生涯学習センターなどが主催。小学生中心の攻撃軍40人余が、大人主体の防衛軍20人余が守る旗を奪い取ろうと、急な山道や堀を越えて攻め入った。 大人は本城跡の土塁に登り、木や茂みに隠れて待機。段ボールで手作りしたよろいやかぶとを着けた子どもたちは低学年、高学年の二手に分かれて山道を登った。灰が入った網袋や水風船を投げ付けられながらも、竹の棒や新聞紙などで作った刀で攻撃。登城(外城)跡の木に結び付けられた旗を目がけて走った。 最後は旗の引っ張り合いになり、奪うことはできなかったが、最初にあった場所から旗を動かしたので、子どもたちが勝利。低学年の大将役を務めた飯島小3年の松下蒼天君(9)は「灰の袋をよけるのが楽しかった。こんな所に城があったなんてすごい」。防衛軍の大将役で本郷公民館長の矢沢敏美さん(70)は「子どもたちはこういう機会がないと、城跡に来ない。子どもも大人も歴史を知ることができて良かった」と話していた。(長野県、信濃毎日新聞社)
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