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旧陸軍150連隊の「歩一五〇会」 慰霊祭 元兵士の参加絶える

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 第2次世界大戦中、松本市に拠点を置いた旧陸軍歩兵第150連隊の元兵士や遺族でつくる「歩一五〇(ほいちごまる)会」は17日、慰霊祭を松本市美須々の県護国神社で開いた。県内外から遺族16人が参加。慰霊祭は20年ほど前から毎年開いてきたが、元兵士の参加が今回初めて途絶えた。同会には元兵士が10人ほどおり、最も若くて90歳と高齢化が進んでいる。  同連隊は1944(昭和19)年2月17日、太平洋のトラック島へ向け乗っていた輸送船が撃沈され、多数の戦死者を出した。慰霊祭は暖かくなる命日の1カ月後に開かれてきた。当初は400人に参加を呼び掛けたが、高齢化で年々参加が減り、この日の参加者16人は、元兵士の妻が2人で、60~70代になる子どもの世代が大半だ。  石川県小松市の田畑優(まさ)子さん(70)と、奈良県大和郡山市の原田初江さん(72)の2人は今回、他の遺族の呼び掛けで初めて参加した。軍医の父を亡くした田畑さんは「同じ遺族の方に話を聞きたいと思って来た。生存者もいると聞き、話したいと思っていたが…」と残念そう。原田さんは、同じ年に父をトラック島で亡くしており、「150連隊の遺族と一緒に父の冥福を祈ることができ、身近な感じを受けた」と話していた。  同会事務局の大和勇一さん(51)=堺市=は「元兵士の方にも慰霊祭に来てほしいが、高齢で行けないという返事が多く、次第に遺族だけになっている。他に解散した戦友会もあると聞いており、存続は年々厳しくなっている」と話していた。(長野県、信濃毎日新聞社)


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