相次ぐ教員の不祥事を受け、県と県教委が設置した「教員の資質向上・教育制度あり方検討会議」は19日、県庁で最終の会合を開き、県教育の再生に向けた改善策を提言書にまとめ、阿部守一知事らに提出した。不祥事を起こした教職員への処分の厳罰化、通報・相談制度の整備といった約60項目の実現を求めており、知事は「提言を具現化し、県民が自信を持てる教育県を再生したい」とし、確実に実施すると強調した。 同会議は昨年8月に発足。大学教授や企業経営者、保護者、教員らが「倫理向上」「採用・人事」「評価」「研修」の4専門部会で議論した。 倫理向上専門部会がまとめた不祥事再発防止に関する提言では、「わいせつな行為や体罰をした教職員は教壇に立たせない」と厳罰化を求め、体罰をした教職員は研修などの再教育が終わるまで指導させないといった厳しい対応が必要、とした=表。不祥事を発見した人が安心して通報・相談できる制度の整備も求めた。 採用・人事の提言では、不祥事を起こした教員の異動時には、校長間、市町村教委間で不祥事の内容を確実に引き継ぐことや、県教委から市町村教委へ人事権を移すことを検討するとした。 評価の提言では、教員に対する児童生徒や保護者の評価を給与に連動する制度に生かすことや、評価が横並びの現状の改善などを求めた。最終会合では、県高教組副委員長の委員らは「現状の評価制度で良いという意見もあることも明記すべきだ」と述べたが、提言書には反映しなかった。 県教委と県次世代サポート課は共同し、5月ごろまでに提言内容の実現に向けた行動計画を策定。その後、行動計画に沿って提言内容を実現しているかどうかチェックする第三者機関を発足させる。(長野県、信濃毎日新聞社)
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