下高井郡山ノ内町志賀高原にあるクロスカントリースキーのコースで19日、部活動中だった同町東小学校5年の三原舜矢(しゅんや)君(11)=同町平穏=が圧雪車の後部ローターに巻き込まれて死亡した事故は、圧雪車の後ろをクロスカントリースキーで滑っていた三原君が、圧雪車を右側から追い抜こうとした際に起きたことが20日、中野署の調べで分かった。同署は同日、現場を実況見分し、業務上過失致死の疑いもあるとみて調べを進めた。 町教育委員会が事故を目撃した同高原のホテル経営者から聞き取った事故当時の状況によると、三原君が所属していた東小クロススキー部員は19日、事故現場近くの駐車場にバスで到着=地図。準備を早く終えた児童2人がコースに出て、焼額山スキー場方面へ人が歩く程度の速度で進んでいた圧雪車の後ろを滑っていったという。 事故が起きたのは「一の瀬クロスカントリーコース」で、最長約5キロのコースを設定できる。圧雪車を運転していた同町寒沢の中山哲治さん(34)は、19日午前に行われた大学生のスキー大会後のコース整備をしていた。同大会のコース整備に協力した近くの志賀高原プリンスホテルによると、圧雪車はプリンスホテル(東京)が運営する焼額山スキー場の所有で、中山さんは同スキー場従業員。 一方、東小は20日夕に保護者説明会を開き、事故の経過などを説明。丸山福一校長は説明会後の取材に、年度内はクロススキー部の活動を停止し、来年度の活動は事故の検証を踏まえて対応するとした。指導方法については「通常は教職員を加えた3人で(部活動に)対応していたが、事故当時は春休みでもあり、保護者とコーチの2人だった」と述べた。同小は21日、全校児童の心のケアのための緊急集会を開く。 県スキー連盟などは20日、事故が起きたコースなどを使って21~25日に開く予定だった第56回志賀高原少年スキー大会の中止を決めた。(長野県、信濃毎日新聞社)
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