15日午前7時10分ごろ、安曇野市豊科南穂高の家庭菜園でイノシシが出没し、近くの無職斉藤幸子さん(67)が襲われた。斉藤さんは松本市内の病院に搬送されたが、右太ももなどに大けがのもよう。長野道安曇野インター西側一帯で午前6時すぎから7時40分ごろにかけて目撃情報が相次ぎ、安曇野署や安曇野市が警戒し、防災無線などで注意を呼び掛けた。県内では同日、佐久市でもイノシシの目撃情報が寄せられた。 斉藤さんがけがをした現場は同インターの西約500メートル。周辺は田畑などの他、幹線道路沿いには飲食店などが並んでいる。駆け付けた斉藤さんの長女によると、斉藤さんは1人でオクラを収穫しているところを襲われ、隣接する自宅の裏口から家族に助けを求めた。オクラの茎が根元から折れており、イノシシとみられる足跡も残っていた。 安曇野市や市猟友会、安曇野署などによると、イノシシの体長は1・5メートルほどで、目撃情報は計6件。午前6時半前に市豊科総合支所の宿直に、市役所本庁舎の西で見たとの情報が寄せられた。その後、旧東洋紡豊科工場の西側、JR南豊科駅の南東、豊科南中学校周辺で相次いで目撃された。7時40分ごろには、安曇野スイス村サンモリッツ付近で走行中の車に突進し、タイヤをパンクさせた。 同市や県松本地方事務所林務課、猟友会員らが犀川河川敷を捜索。サンモリッツから約2キロ北の明科七貴の河川敷で、地面を掘り起こした跡が見つかった。市耕地林務課によると午後1時現在新たな目撃情報はない。同課によると、明科地域の山麓では過去に目撃情報があるが、市街地での目撃や人を襲った例は珍しい。 佐久市では同日午前、岩村田地区での目撃情報が3件、佐久署を通じるなどして市に寄せられた。同市によると、午前6時20分ごろ、市子ども未来館付近、6時40分にはJR小海線岩村田駅付近、9時すぎには若宮神社付近で目撃された。人的、物的被害は報告されていない。(長野県、信濃毎日新聞社)
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