飯田市美術博物館(飯田市追手町)は28日、館内のデジタルプラネタリウムで上映するオリジナル番組の新作を発表した。完成したのは「飯田の桜」「天龍峡」「中央構造線」「遠山森林鉄道」を題材にした4番組。同館は市内に伝わる人形浄瑠璃や四季の風景などを取り上げた番組も制作しており、オリジナル作品は計12番組となった。 新作「飯田さくらものがたり」は、鮮やかに咲く市内の桜を映しながら、それぞれの桜をめぐる物語を紹介した。「生きている大地赤石山脈の中央構造線」は日本最大級の断層を解説。「山とともに山林資源の宝庫遠山と森林鉄道」は、同市南信濃・上村両地区で木材運搬の役目を担った森林鉄道の歴史や復元に挑む住民らの活動を紹介している。 天竜川の恵みを扱った「天龍峡水の旅路」では、市内のNPO法人「FOP」が作った歌「龍は生きている」を地元住民ら約200人が歌いつなぐ映像が特徴。天竜川を「龍」と捉え、「大地の中を緑の中を龍は巡っている」と歌う声が観客席を包む。この日の投影では、集まった観客約90人から拍手が湧いた。上映後の解説で同法人の杉浦歩実(あゆみ)代表は「制作を通して天竜川は『市民の宝』と感じた」と語った。 上映時間は4番組とも約10分。問い合わせは同館(電話0265・22・8118)へ。(長野県、信濃毎日新聞社)
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