県内市町村のうち駒ケ根市を除く76市町村が、国家公務員に準じた退職手当(退職金)引き下げを来年度に先送りしたことが29日、県や県内市町村などの労働組合でつくる自治労県本部のまとめで分かった。本年度中の方針だった県が2月、県地方公務員労働組合共闘会議との交渉の末、本年度の引き下げ開始を見送ったことなどが影響した。 自治労県本部によると、先送りした76市町村は第1段階の引き下げ開始を来年度当初の4月1日とし、第2、第3段階も2014年度以降の年度替わりに合わせた。 これまでに、県内全58町村と安曇野市でつくる県市町村総合事務組合(長野市)が2月上旬、本年度中の開始見送りを決定。長野、上田両市も本年度中の引き下げ開始を検討したが、県などの見送りを受けて方針を変更した。 駒ケ根市は3月19日、国と同様に引き下げを始めた。同市は退職手当の財源を捻出するため、退職手当債(借金)を発行しているが、国家公務員の引き下げに伴って発行可能額も圧縮されるため、国に準じて引き下げなければ、新たな自前の負担が生じる見通しとなったことが判断に大きく影響した。同市によると、県外で相次いだ本年度の駆け込み退職はなかった。 国は民間との格差是正のため、国家公務員の退職手当を1月、10月、来年7月の3段階で引き下げると決め、地方自治体に国に準じるよう通知していた。(長野県、信濃毎日新聞社)
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