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ライチョウ保護へ、シカ対策提案 岐阜・高山で会議

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 国の特別天然記念物で絶滅危惧種に指定されているライチョウの保護を専門家らが岐阜県高山市で意見交換した「第13回ライチョウ会議」は15日、北アルプス・乗鞍岳(3026メートル)の生息地を視察し3日間の日程を終えた。生息地での保護、飼育技術の確立、シカ対策で具体的な提案が上がった。  信大の中村浩志名誉教授(鳥類生態学)は14日の講演で、温暖化の影響で新潟県・火打山(2462メートル)の植生変化を「絶滅が危ぶまれる状況」と報告。来年度から同教授らが乗鞍岳で本格実施する、ひなが大きくなるまで生息地に置いたかごで守る保護策を説明した。トキなどを念頭に「野生個体群が健全なうちに手を打たないと、その後はいくらお金と労力をかけても救えない」と訴えた。  近縁亜種のスバールバルライチョウを飼育し、日本で初めて自然繁殖によるふ化に成功した富山市の「富山市ファミリーパーク」の山本茂行園長は、研究発表で「環境省や研究者、動物園などが対等な立場で協議する機関の設置が不可欠」と強調した。  日本獣医生命科学大学(東京)の羽山伸一教授(野生動物学)は、ライチョウの生息環境を脅かすニホンジカ対策について講演。高山帯や人里に生息域を広げるシカに対し「中腹の人工林を間伐し、餌になる植生を回復させて戻ってきてもらう取り組みを、捕獲と一体的に進める必要がある」と提案した。(長野県、信濃毎日新聞社)


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