茅野市や諏訪市の有志でつくる住民グループ「命の架け橋」は31日、鹿児島県・奄美大島に伝わる島唄の歌い手、朝崎郁恵さん(77)=横浜市=のコンサートを茅野市民館で開いた。「いのちの音の祭り」と銘打ち、家族や日々の暮らしを歌った島唄など14曲を朝崎さんが熱唱。聴衆約500人が独特のこぶしや哀調を帯びた節回しに耳を傾けた。 命の架け橋は2011年に医師や看護師らで結成。生と死を身近な問題として考える目的で、昨年は自然分娩(ぶんべん)を行う産科医院を描いた映画の上映会を開いた。今回は活動の第2弾として、島唄を通して身近な命について考えてほしいとコンサートを企画した。 朝崎さんは三味線やギターの音色に乗せ、出身地・奄美の歓迎の歌や子守歌を披露。出演者を囲むように設けた客席では、観客が島唄に合わせて一緒に踊る場面もあった。 命の架け橋代表で産科医の丹家歩(たんけあゆみ)さん(28)は「人との絆が大切な今だからこそ、朝崎さんの島唄から命の力を感じてほしい」と強調。茅野市の病院での研修を終え、ことしから沖縄県で働いているたため今後の活動は他の会員に引き継ぐが、「命を考える機会をつくり続けてほしい」と話していた。(長野県、信濃毎日新聞社)
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