発達した低気圧の影響で、7日の県内は各地で強い風が吹き、長野地方気象台によると、飯田市高羽町で午後4時29分に4月の観測史上最大となる最大瞬間風速32・9メートルを観測した。同市内でビルの窓ガラスが割れるなどしたが、けが人はいなかった。他にJR中央東線のダイヤが乱れるなど、交通にも影響した。 飯田市などによると、同日夕に同市高羽町にある国合同庁舎4階の窓ガラス1枚が割れた。強風の影響とみられる。窓ガラスは高さ150センチほどで、庁舎前の歩道や道路に破片が散乱。道路反対側のガソリンスタンド従業員によると、午後4時半ごろに強い風が吹き、「ガシャーン」という音がした。ガラス片はスタンドにも飛んできたという。 また、同市大王路2の住宅では同5時ごろ、屋根のトタン板(縦約130センチ、幅約90センチ)10枚ほどがめくれ、中庭などに落ちた。 同気象台によると、7日の県内では他に大町で20・2メートル、伊那市下新田で20・1メートル、諏訪郡原村で20メートルの最大瞬間風速を観測した。 JR東日本長野支社によると、午前9時50分ごろ、諏訪郡富士見町の中央東線富士見―信濃境間の風速計が規制値(毎秒25メートル)に達し、富士見―小淵沢間で一時運転を見合わせた。上下の特急など9本が運休、上下の普通3本が部分運休し、約3千人に影響した。 また、JR東海によると、同10時半ごろに中央西線大桑―塩尻間で停電があり、上下の特急2本が最大12分遅れた。中部電力長野支店(長野市)によると、停電は落雷が原因。 午後6時58分ごろには、下伊那郡松川町のJR飯田線上片桐―伊那大島間で、上り普通列車が線路内に倒れていた竹にぶつかった。乗客8人にけがはなく、竹を撤去して約30分後に運転を再開した。山梨県内のJR小海線でも午後7時半と同9時前の2回、線路で倒木が見つかり、上下の普通2本が部分運休するなどした。 県農業政策課によると、中野市では強風でパイプハウス5棟が変形したが、中の花に被害は無かった。 一方、新潟県境に近い北安曇郡小谷村の湯原温泉で6日午後7時半ごろ、木造平屋の女性更衣室のトタン屋根が強風ではがれていたことが7日、分かった。男女各1人の入浴客にけがはなかった。(長野県、信濃毎日新聞社)
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