「天下第一」の彩り―。桜の名所、伊那市高遠町の高遠城址(じょうし)公園でタカトオコヒガンザクラが見頃を迎えつつある。快晴の8日午前、上空からは、濃淡のあるピンクに染まった一帯がこんもりと浮かび上がるように見えた。 園内のタカトオコヒガンザクラは約1500本。規模と色合いから「天下第一の桜」といわれてきた。ことしは、1983(昭和58)年に統計を取り始めて以来最も早い1日に開花宣言。6、7日の荒天でも目立った影響はなく、開花が進んだ。 8日朝、伊那の最低気温は0・7度。気温が上がるとともに、園内はにぎわいを増した。松本市の会社員篠崎芳行さん(35)は、転職のため今月中に夫婦で岡山県に引っ越す予定。「東京から就職のため松本に来た約10年前もここで花見をした。新天地でも頑張りたい」。妻の泉さん(27)は「青空に桜が映えてきれい。良い思い出になります」と話していた。 市観光協会によると、公園の南側はほぼ満開。中心部の二ノ丸や本丸は三分咲き程度で、今週末ごろが一番の見頃になりそうだという。(長野県、信濃毎日新聞社)
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