善光寺「びんずる尊者像」、初出張へ　お魂抜き法要

　東日本大震災被災地の復興支援を目的に東京・両国の回向（えこう）院で２７日に始まる「善光寺出開帳（でがいちょう）」を前に、長野市の善光寺から同院に運ばれる「びんずる尊者像」の「お魂（たましい）抜き法要」が２０日、同寺本堂であった。なでると病気やけがが治ると伝えられる尊者像はことしで完成３００年を迎えるが、こうした「出張」は初めてという。 　法要は、運ぶ前にいったん尊者像の魂を抜く意味があり、僧侶１３人が読経した。岩手県陸前高田市の景勝地「高田松原」の松の倒木で作り、境内に安置されている地蔵菩薩（ぼさつ）像も、一緒に出張するため併せてお魂抜きをした。２３日に善光寺を出発する。 　若麻績敏隆・善光寺寺務総長（５４）は、法要後の取材に「善光寺の信仰を集める仏様の一人で、東京に行くことは非常に重要」と強調。「私たちも初めてのことで手探りだが、回向院を訪れる人たちには、びんずる様を通じ少しでも信仰に触れてほしい」と話していた。（長野県、信濃毎日新聞社）