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ランナー雨がっぱなどで防寒 驚きの雪 根性の走り

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 21日の長野オリンピック記念長野マラソンは、初めて雪が降る中で行われた。大会組織委員会は雪かきなどの対応に追われ、海外からの招待選手や市民ランナーには、雨がっぱを身に着けたり、ごみ袋に穴を開けて頭からかぶったりして走る人が目立った。だが、沿道の声援を受けたランナーたちの完走率は85・84%と例年並みだった。一方、第9回長野車いすマラソン大会に出場予定だった選手たちは、中止を残念がると同時に来年の活躍を誓っていた。  長野市の午前8時の積雪は4センチ、スタート時(午前8時半)の気温は0・4度と厳しいコンディションとなった。  スタート地点の長野運動公園では、ランナー同士が「寒いね」「まさか雪とは」。近くのコンビニエンスストアには、手袋や軍手、雨がっぱを買いに来るランナーらしき人もいたという。「さすが長野ですね」と驚いていた東京都の会社員清水保男さん(56)は、雪を見て出場を少し迷ったというが、「根性で走ります」と気合を入れていた。  例年、スタート地点には大勢が応援に詰め掛けるが、この日は少なめ。近くの永井澄子さん(87)は「こんな雪の中で走るなんて立派。人も少ないし、いつも以上に応援しなくちゃ」と、力いっぱい小旗を振っていた。  長野市はこの日早朝に除雪車を出動させ、雪が多めだったコース後半を除雪した。だが、降り続く雪がシャーベット状になったり、水たまりになったところも多かった。10・3キロ地点の収容関門で制限時間をオーバーした滋賀県草津市の会社員伊藤誠一さん(62)は「寒さが厳しくて…」と疲れた様子だった。  ゴール地点の長野オリンピックスタジアムでは、ボランティアらが懸命に雪をかき、選手を迎え入れるコースを作った。緑色の人工芝があらわになったコース上を、上位選手らに続いて市民ランナーが次々とゴールしていった。  体にワセリンを塗り、ウインドブレーカーを着込んだ東京都世田谷区の会社員沖中さゆりさん(48)は、自己ベストを更新した。「寒かったけれど、雪が降る中を走れていい思い出になった」。福島県三春町のパート従業員佐久間則行さん(62)は「2、3回足を取られ、手もかじかんだが、こんな天気なのに沿道にたくさんの人がいて元気付けられた」と喜んでいた。  車いすマラソンは選手の安全確保が困難だとして中止に。埼玉県三郷市の千代田健司さん(28)は「大会に向けて練習してきたので残念だが、仕方がない」。初出場の予定だった同県草加市の佐藤健さん(29)は「来年こそ走りたい」と、気持ちを切り替えていた。(長野県、信濃毎日新聞社)


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