松本市開智2の旧開智学校(重要文化財)は6日、開校から140年を迎える。教育資料の展示施設でもある校舎は市内有数の観光名所で、4日は朝から大型連休中で最も多い1591人が訪れた。市は本年度、開智学校が「学都(がくと)松本」の形成に果たした役割などを企画展で紹介する。 市は19日まで開校140年を記念し、明治初期の教材「掛図(かけず)」9点を展示している。この日、妻と訪れた北九州市の自営業下河義信さん(62)は木製の机やいすを見て「子どものころが懐かしい」。横浜市の小学4年窪田鉄朗君(9)は、学校が早起きを勧める明治期の文書を読み、父親の知己さん(48)と「今も昔も同じだね」と話した。 開智学校は1873(明治6)年5月6日、市内の別の場所で開校。重要文化財に指定されている校舎は76年に完成し、1963(昭和38)年まで使われた。その後今の場所に移り、65年に教育博物館となった。昨年度は計9万8千人余が入館。市立博物館の分館の中では最も入館者が多いという。 9~11月は学校創設に関わった人々を紹介。来年2~3月には市立図書館や市立博物館がかつては開智学校の付属施設だったことなど、現在も活用している施設のルーツを解説する記念展を計画している。市立博物館学芸員の遠藤正教(まさのり)さん(29)は「ことしは開智学校のすごさをお伝えします」と話している。(長野県、信濃毎日新聞社)
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