音楽を聞いたりゲームができたりする携帯音楽プレーヤーのうち高機能の機種を使いインターネットに接続してメールなどをした結果、わいせつな事案などトラブルに巻き込まれる県内の小中学生が増えていることが4日、一般社団法人セーフティネット総合研究所(長野市)のまとめで分かった。同研究所は「インターネットに接続すれば、携帯音楽プレーヤーもスマートフォン(多機能携帯電話)などと同じように使える。思わぬ問題に巻き込まれる危険性を、親も子どもも十分に知ってほしい」と呼び掛けている。 同研究所のまとめによると、ネットに関するトラブル相談は2011年度の172件から225件に30%増加した。このうち、ネット接続可能な携帯音楽プレーヤーに関する相談は、11年度はゼロだったが、12年度は122件あった。このうち、児童・生徒の内訳は、小学生18件、中学生101件、高校生3件だった。 具体的な相談は、「勝手に自分の写真がネットで流れている」など生徒本人からの他、教員から「中学生の女子生徒が、ネット上で会話して知り合った男の人に車で送ってもらったら、わいせつなことをされた」「銅像を壊している動画が載っていた」といった内容だ。わいせつ事案などでは、学校や保護者らが警察に通報したという。 同研究所によると、こうした相談の背景には、携帯音楽プレーヤーの高機能化がある。これらは、ケーブルがなくてもインターネット接続できる無線LAN「Wi―Fi(ワイファイ)」を通してネット接続できる。Wi―Fiのサービスは、公共施設やコンビニエンスストア、飲食店などにもあり、子どもたちも利用できる。その結果、メールを送受信できるようになったり、無料通話も可能な「LINE(ライン)」などのソフトもダウンロードできたりするという。 南沢信之専務理事は「音楽やゲームを主体にした携帯機器を買い与える親の中には、通信が可能だという意識が低い人もいる。その結果、親が知らないうちに子どもがネットに関わってトラブルに巻き込まれることがある」と注意を呼び掛けている。(長野県、信濃毎日新聞社)
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