大型連休終盤の5日も県内では山岳遭難が相次ぎ、北アルプス爺ケ岳、中央アルプスの宝剣岳と空木岳で、滑落した男性がそれぞれ死亡した。 午後3時半ごろ、爺ケ岳(2669メートル)南尾根で登山者が滑落したとの通報があり、県消防防災ヘリが救助し松本市内の病院に運んだが、死亡を確認した。千葉県市原市の国立大職員男性(55)とみられる。 午後1時20分ごろには、宝剣岳(2931メートル)北稜付近で男性が滑落したのを中央アルプス地区山岳遭難防止対策協会隊員が目撃し通報。県警ヘリで松本市内の病院に運ばれたが、死亡を確認した。男性の身元は、木曽署の調べで6日、横浜市泉区の会社員中谷正明さん(58)と分かった。 空木岳(2864メートル)の池山尾根で5日、谷側に滑落した東京都板橋区の会社員加藤征(まさる)さん(71)は6日朝、県消防防災ヘリに収容されたが、午前7時に死亡が確認された。空木岳では5日、単独登山で下山中の飯田市の男性(49)も滑落し、右足首にけがをした。 北ア鹿島槍ケ岳(2889メートル)では午前8時40分、人が倒れているのを登山者が見つけて通報。県警ヘリが出動したが、落石や雪崩の危険が高いと判断、6日救助を試みる。大町署は4月28日に入山し不明になった埼玉県和光市の男性(62)の可能性があるとみている。 北ア奥穂高岳(3190メートル)では、栃木県足利市の無職男性が落石に遭った他、鹿島槍ケ岳では、兵庫県尼崎市の地方公務員の女性(44)が滑落。ともに県警ヘリが救助し命に別条はない。 北ア北穂高岳(3106メートル)へ続く稜線(りょうせん)上で4日に遭難した三重県四日市市の男子高校生(16)は5日、県警ヘリなどが救助。けがはなかった。爺ケ岳では4日に山スキー中の神奈川県伊勢原市の会社員男性(38)が転倒、左肩を脱臼し、5日に県消防防災ヘリが救助した。(長野県、信濃毎日新聞社)
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