長野電鉄(長野市)は5日、普段運行している電車「3500系」の運転席に子どもが座り、実際に電車を走らせるイベントを、須坂市の須坂駅構内で開いた。子どもたちは真剣な表情でハンドルを握り、現在は使われていない駅構内の線路で1人約200メートルずつ運転した。 長野市や須坂市、横浜市から来た小中学生の男女計16人が挑戦した。同社の運転士経験者が発進やブレーキといった操作を教えた。子どもたちは2両編成の3500系に乗り込み、順番に運転士の本物の制服や帽子、手袋を身に着け、運転席に座った。 運転士経験者が付き添い、子どもが自ら「出発進行」の掛け声とともに汽笛を鳴らし、ハンドルを操作して発車させた。時速十数キロまで上げ、線路沿いの目印に合わせてブレーキをかけ、100メートルごとに停車させる操作を体験した。 長野市綿内小学校4年の金子林太郎君(9)は電車の運転士になるのが夢。「目印に合わせて止めるのが難しかったけれど、運転席は一番前で景色が良かった」と喜んだ。子どもたちは発車前の放送などの車掌業務も体験し、駅構内の車両基地を見学した。 憧れの運転士の体験で鉄道ファンをさらに増やそうと、こどもの日に合わせ初めて開催。全国的にも珍しいという。同社は今後も同様の運転体験を企画したいとしている。(長野県、信濃毎日新聞社)
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