佐久市内の6社と佐久商工会議所は8日、地域観光用に開発した電気自動車「オカーゴ」の試験走行と体験乗車会を市内で開いた。観光客に景色を楽しみながら旧中山道を中心に佐久地方を巡ってもらおうと開発。来場者は静かな乗り心地を楽しんだ。 タイの三輪自動車「トゥクトゥク」を直輸入して改造した。1861(文久元)年に皇女和宮(かずのみや)が中山道を通って14代将軍徳川家茂に嫁ぐ際に乗った「御駕籠(おかご)」をイメージした。各社が設計、強度計算、システム開発などを分担。昨年11月に届いた車両に、リチウムイオン電池とモーターを取り付け、3月に完成させた。運転手を含め4人乗りで、試算では1回4時間の充電で約100キロ走れる。 試乗会には開発関係者や通り掛かった市民らが訪れた。公園内の道を時速40キロほどで走行。乗車した同市城山小学校5年の小須田奈穂さん(10)は「静かで気持ち良い。もっと乗りたい」。母の久美子さん(41)は「外国にいる気分になった」。 今後は改造自動車として陸運局の許可を取り、坂道や長距離の走行試験をして、来春から観光ツアーでの利用開始を目指す。開発チーム代表で、同市伴野のソフトウエア開発などの「ナビオ」社長荻原明雄さん(72)は「全てが初めてだったので、無事に走ってほっとしている」と笑顔を見せた。(長野県、信濃毎日新聞社)
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