諏訪郡内の中学校に通う男子生徒がメモ書きを残して17日朝に死亡し、警察が自殺の可能性があるとみて調べている問題で、生徒の両親が21日、信濃毎日新聞の取材に応じ、「学校内でいじめがあったことが原因だと受け止めている」として、学校や地元教育委員会が死亡の原因や背景を徹底して調べるよう訴えた。 これに対し、地元教育委員会の教育長は同日、「いじめの可能性も含めて調査しているが、違うことが原因かもしれない」と説明。踏み込んだ調査を行うための調査委員会を早急に設置する考えを示した。弁護士など第三者を加えることも検討している。 生徒の両親によると、17日朝は両親が先に家を出た。学校側から生徒が登校していない―と連絡を受け、親族が確認に訪れたところ、生徒は自宅内にある父親の仕事用の事務所で倒れていたという。 生徒が身に付けていた携帯型音楽プレーヤーには「自殺しようと思います」との題の文章が書き込まれていた。「嫌いだった人」として複数の個人名を挙げ、「陰口叩(たた)かねーで正面で言えよ」といった記述もあった。 一方で「他の人にこの自殺はなーんにも関係ないので内部調査とかしないでね」との書き込みもあった。 父親は、以前に学校でこの生徒のラケットが折られたり、靴が無くなったりするなどの出来事があった―と説明。学校や教委側が事実関係をきちんと公表してくれるのかに「不信感もある」と話した。 これに対し教育長は「事実確認のために最善を尽くす。仮に、学校や教委にとって不都合なことが分かったとしても向き合う」と話した。 生徒の死亡後、中学校は県教委からスクールカウンセラーの派遣を受け、生徒らの精神的ケアに当たっている。県教委の伊藤学司教育長はこの日、「ご遺族に心からお悔やみ申し上げる。地元教委や学校と連携して事実関係を把握し、必要な支援をしていきたい」と話した。(長野県、信濃毎日新聞社)
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