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成長戦略、女性の就業率引き上げ目標 県内の母親ら、期待と注文

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 政府が14日に閣議決定した成長戦略は、2012年に68%だった女性(25~44歳)の就業率を20年に73%に引き上げる、との目標を盛り込んだ。経済成長を図るには人材が「最大の資源」とする政府は、出産や子育てに対する職場の支援態勢、保育環境の整備を進めるとする。県内の子育て中の母親や女性が働く職場などからは歓迎の声が上がる一方、目標の実現には働く女性への周囲の理解をより進める必要があるとの指摘も出た。  10年の国勢調査によると、県内の25~44歳の女性の就業率は70・0%。全国平均を6・9ポイント上回っている。政府が就業率向上に向けた柱の一つとするのは保育の拡充。県内でも3歳未満の保育所利用が増えており、松本市保育課は「国がどんな具体策を示すか注目したい」とする。  今回は、事業所内の保育施設への助成条件を緩和する案も盛った。06年に事業所内託児所を開設したビルメンテナンスなどの伊那美装(伊那市)は、利用する子どものほとんどが社外からといい、地域の保育の受け皿にもなっているという。  一方、従来は従業員らの福利厚生を目的とした託児所が多く、長野赤十字病院(長野市)でも利用者を職員の子どもに限っている。人事課は「採算が取れているわけではない。保育士を増やしてまで、一般を受け入れることはない」との見方を示している。  塩尻市内の母子、父子家庭の親の団体「ひとり親しおじり」会長で、会社員の南山周司さん(45)は、母子家庭の母親の就業支援では夜間に働く場合の預け先の確保などを課題に挙げつつ、「何ごともやってみることが大切」と政府の推進力に期待する。  昨年6月に次男を出産し、育児休業中の東筑摩郡麻績村麻の会社員佐藤由紀子さん(39)は今月24日に復帰予定。「1年休んだだけでも会社の変化についていけるか不安がある」。制度拡充より、「男性がもっと当たり前に育児に参加するような環境をつくってほしい」と訴えた。  信州大(本部・松本市)が11年に設置した「女性研究者支援室」の松岡英子室長(教育学部教授)によると、同室は出産・育児期間中の研究補助者制度を運用している。「育児しながらでも研究に身を置けるよう、周りの配慮で雑用を減らしたり短時間勤務できるようにすることが大事」と訴えた。  女性を管理職に増やすことも成長戦略の施策の柱の一つだ。キノコ生産の「ホクト」(長野市)の役員、管理職には女性がいないが、「食に関する会社なので、どんどん女性の感性を生かしていきたい」(管理本部)。セイコーエプソン(諏訪市)も役員に女性はおらず、部長、課長登用も3%にとどまるが、「有用な人材であれば、性別や国籍にかかわらず役員候補になる」(人事部)としている。(長野県、信濃毎日新聞社)


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