日本フットボールリーグ(JFL)のAC長野パルセイロのサポーター有志が15日、長野市篠ノ井東福寺の南長野運動公園総合球技場で対戦した福島ユナイテッドFC(福島県)のサポーターに子ども用のサッカーボール10個を贈った。AC長野もこの日、福島県など東日本大震災の被災地から県内に避難している人の試合観戦を無料にした。スポーツを通じた復興支援や、支援への感謝を伝える交流の輪が広がった。 両チームは2010年にJFL昇格を懸けた大会で対戦し、AC長野がPK戦の末に勝利。大会を勝ち抜いたAC長野はJFL昇格を決めた。その後、福島県では東日本大震災や東京電力福島第1原発事故が起き、AC長野のホームタウンの一つ、下水内郡栄村は県北部地震で被害を受けた。AC長野サポーター団体代表の古川康平さん(40)は「いろんなことを乗り越えて再び対戦できてうれしい。長野での試合で何か支援できないかと考え、ボールを贈ることにした」と話す。サポーターのカンパで賄った。 AC長野側は「FORZA(イタリア語で頑張れの意味)FUKUSHIMA」、福島側は「ありがとう長野」と大きく書いた横断幕も用意。試合前には互いのチーム名を連呼するエール交換もした。 試合会場には、福島県から長野市に避難している親子連れら計6人が訪れ、無料で観戦した。福島サポーター団体代表の草野貴也さん(36)は「本当にありがたい。ボールはクラブを通じて子どもたちの夢のために活用したい」と話した。両チームは10月、福島のホームで対戦する。(長野県、信濃毎日新聞社)
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