県会6月定例会は20日開会した。阿部守一知事は提案説明で、県短大(長野市)を四年制化する新たな県立大の基本構想案が19日の設立準備委員会で取りまとめられたことを踏まえ、「高等教育の振興に関する方策も含めて、県としての方針を速やかに決定する」と述べた。 基本構想案は、昨年9月に示した素案を大幅に修正。総合マネジメント学部の他、健康発達学部を加えて2学部とし、健康発達学部には、県短大同窓会や長野市選出の県議らの求めを受け、管理栄養士受験資格が得られるコースを含む健康文化学科を設ける内容となった。 阿部知事は「県政課題である健康長寿の継承、発展に積極的に寄与するため、健康文化学科の設置が盛り込まれた」と説明。その上で「現在の大学教育が抱える諸課題に果敢に挑戦し、先駆的に取り組むとともに、県の発展を支えていく『知の拠点』として整備する」などとし、県短大を四年制化して県立大を新設する意義を強調した。 私立大を含めた県内高等教育の振興策は県内で唯一、管理栄養士養成課程を持ち、県立大との競合を懸念して基本構想案に反発している松本大(松本市)などへの配慮もある。具体化を急ぐ考えだ。 一方、県職員給与引き下げをめぐる組合側との交渉が18日未明に「終結」したことを受け、引き下げに向けた条例案などを追加提出すると説明。給与引き下げを迫って地方交付税削減を決めた国に対しては「地方自治の根幹に関わることで、極めて問題だ」とあらためて批判した。 県側は、国の「地域の元気臨時交付金」を積極活用するなどし、本年度からの県政運営の新指針「総合5か年計画」に基づく施策を進める総額132億4400万円の本年度一般会計補正予算案など19議案を提出した。(長野県、信濃毎日新聞社)
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