飯田市川路、龍江の名勝「天竜峡」一帯にある土産店などの一部を間借りし、地元作家が手作り品を販売するイベント「天龍峡MAGARIショップ」が23日、現地で開かれた。観光客が減少傾向にある天竜峡で毎月第2、4日曜日にイベントを定期的に催すことで、にぎわいの創出につなげていく狙いだ。 イベントは、地元の観光業関係者や住民有志でつくる団体「天龍峡この指とまれ」が4月に始めた。作家は1回の間借りにつき500円と、売り上げの一部を支払う仕組み。作家は自分の作品を展示販売でき、店側はイベントに伴う来客増加を期待できる。 23日はJR飯田線天竜峡駅や、天竜川に架かる姑射(こや)橋付近の5店舗にMAGARIショップが登場した。入り口にイベント開催を知らせる赤いのれんを掲げた店舗には、アクセサリーやバッグ、布小物などの手作り品が並んだ。 水引細工の作家今井啓さん(39)=飯田市上郷黒田=は「活性化に少しでも協力できれば」と駅近くの土産店に間借り。動物や昆虫をイメージした水引のブローチを販売したり、簡単な水引細工の作り方を来店者に教える体験講座を開いたりした。姑射橋近くの土産店で手作り小物を並べたクラフト作家片桐景子さん(32)=同市座光寺=は「対面販売できるので、手作り品の発表の場としてもいい機会」と話した。 天竜峡では1992年をピークに来客数が減っている。同団体事務局は「定期的にイベントを開くことで、天竜峡に来てみたいと思ってもらえたらいい」と期待している。(長野県、信濃毎日新聞社)
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