若者がものづくりやサービスの腕を競う第50回技能五輪全国大会(26日開幕)は23日、松本市でも先行競技が始まった。同市の県松本技術専門校で「電気溶接」競技を実施。同校では地元女性グループが豚汁などを無料サービスし、選手や来場者をもてなす機運も高まった。 電気溶接は、制限時間内に電熱でアルミ合金やステンレス鋼を接合し、図面通りの完成品に仕上げる。精度や外観の美しさ、強度などが審査の対象。出場34人が3組に分かれて順に競技に臨む方式で、この日は10人がマスクをかぶって作業をした。宇部興産機械(山口県宇部市)の和田拓也さん(19)は「初めは緊張で手が震えたが、練習の成果を発揮できた」と話していた。 長野県選手は出場しなかったが、見学に訪れる選手も。25日に課題に挑むヤマウラ(駒ケ根市)の下浦洸樹(こうき)さん(20)は「出番はまだ先なのに、すごく緊張している。本番では自分の力を100%出したい」と意気込んでいた。 会場の外では、松本市内の商店で働く女性らでつくる「松本おかみさん会」が約100人分の豚汁を作り、リンゴとともに選手や来場者にサービス。同会の岩岡悦子さん(61)は「全国から集まった人に松本はいい所だと思ってもらい、街中にも足を運んでほしい」と話していた。 22日に先行競技が始まった諏訪市では、旧東洋バルヴ諏訪工場跡地(諏訪湖イベントホール)で金属加工の「フライス盤」競技がスタートした。(長野県、信濃毎日新聞社)
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